水素サプリ摂取後の生体反応を時間軸で追う(ROS → 膜電位 → Nrf2)【桐蔭横浜大学共同研究 最終報告書 解説②】
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- 7 日前
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水素サプリを摂取すると、体内ではどんな生体反応が起きているのか
解説①では、水素サプリと運動の併用が持久パフォーマンスを最大化するという4群比較の結果を整理しました。本記事(解説②)では、その結果の背景にある生体反応の流れを、別の試験データをもとに時間軸で追います。
本試験は運動介入を含まない2群比較(CON vs H2)で、水素サプリ摂取後の1時間・24時間・7日の3時点で測定を行い、生体反応がどのような順序で起きるかを観察したものです。
測定の設計:4段階の時間階層で追う
本試験では、水素サプリ摂取後の反応を以下の4段階で捉えています。
段階 | 時点 | 測定項目 | 見ていること |
1. 初期変化① | 1時間後 | ミトコンドリア活性酸素(MitoROS) | ミトコンドリア由来の酸化ストレスの変化(低下の可能性を含む) |
2. 初期変化② | 1時間後 | 膜電位(TMRE) | エネルギーを作る仕組み自体が抑制されていないかの確認 |
3. 細胞応答 | 24時間後 | 核内Nrf2 | 細胞が環境変化を認識し、防御・調整モードに移行したかの確認 |
4. 機能・構造 | 7日後 | ATP量・CS活性 | 最終的なエネルギー状態とミトコンドリア適応の確認 |
この設計のポイントは、最終的な結果(ATPやCS活性)だけでなく、そこに至るまでの過程を段階的に追っている点です。
ステップ1:ミトコンドリア由来のストレスが低下した(1時間後)
水素サプリ摂取から1時間後、TA(前脛骨筋・速筋優位)でMitoROSが有意に低下しました(p=0.0037)。Sol(ヒラメ筋・遅筋優位)でも低下傾向が見られましたが、有意差には至りませんでした(p=0.1362)。

ここでいうMitoROSとは、ミトコンドリアがエネルギーを作る過程で漏れ出る活性酸素のことです。MitoROSが低下したことは、ミトコンドリア由来の酸化ストレスが抑えられた可能性を示します。
ステップ2:エネルギーを作る仕組み自体は大きくは抑制されていない(1時間後)
同じ1時間後の時点で、膜電位(TMRE)はTA・Solとも有意な変化がありませんでした(TA:p=0.2120、Sol:p=0.2046)。

この結果は、ステップ1のROS低下の意味を絞り込むうえで重要です。もし膜電位も一緒に下がっていたら、「エネルギーを作る仕組み自体が抑制された結果、ROSも減っただけ」という解釈になります。しかし膜電位に有意な低下は見られなかったため、膜電位の低下が主因でROSが減っただけ、という解釈は支持されにくいという整理になります。
報告書ではこの結果を、代謝効率が改善した可能性として整理しています。少なくとも、膜電位の低下に伴う単純な代謝抑制だけでは説明しにくいデータです。
ステップ3:細胞が調整モードに入った(24時間後)
水素サプリ摂取から24時間後、核内Nrf2がTA・Solの両方で有意に増加しました(TA:p=0.0157、Sol:p=0.0246)。

Nrf2は、細胞が環境の変化を感知したときに活性化する転写因子です。活性化すると、抗酸化酵素や代謝関連の遺伝子の発現が促されます。
ここで重要なのは、ステップ1・2で急性障害を直接示す所見(膜電位の低下など)が見られなかった点です。このことから、Nrf2の活性化は損傷への緊急対応というより、調整反応として起きている可能性が高いと考えられます。報告書でも、穏やかな環境変化を細胞が「調整信号」として認識し、防御・適応モードに移行したという解釈が示されています。
さらに、個体別の解析では、初期のROS低下が大きい個体ほどNrf2の増加が大きいという関連が確認されています。

ステップ4:7日後のATP量とCS活性(最終的な機能状態)
7日後の測定では、ATP量に有意な変化はなく(TA:p=0.9053)、CS活性は増加傾向にとどまりました(Sol:p=0.0856)。
ステップ1〜3で確認されたROS低下→膜電位維持→Nrf2活性化という流れを踏まえると、この結果は水素サプリがATPを直接増やす因子ではないことを示唆しています。
この結果から、水素サプリはベースラインのATPを直接押し上げる因子ではないと考えられます。報告書でも、水素の作用は「エネルギー増強」ではなく、代謝機能の安定化に寄与し得る調整機構として整理されています。これは解説①で見た、運動という負荷がかかった条件で差が出やすいという結果と整合します。
時間階層の全体像(比較表)
時点 | 測定項目 | TA(速筋優位) | Sol(遅筋優位) |
1時間後 | MitoROS | 有意に低下(p=0.0037) | 低下傾向(有意差なし) |
1時間後 | 膜電位(TMRE) | 変化なし | 変化なし |
24時間後 | 核内Nrf2 | 有意に増加(p=0.0157) | 有意に増加(p=0.0246) |
7日後 | ATP量 | 変化なし(p=0.9053) | — |
7日後 | CS活性 | — | 増加傾向(p=0.0856) |
※7日後の測定は、ATP量はTA、CS活性はSolで評価されています。
まとめ:ROSを抑える方向 → 仕組みを保つ → 適応につなぐ
本試験の時系列データは、水素サプリ摂取後の生体反応が以下の順序で進むことを示しています。
ROSを抑える方向(MitoROS低下・1時間後)→ 仕組みを保つ(膜電位に有意な低下なし・1時間後)→ 適応につなぐ(Nrf2活性化・24時間後)
この流れ全体を通じて、水素の作用はエネルギー産生を直接増やすものではなく、ミトコンドリアの代謝機能を安定化させる調整因子として整理できます。
解説①で見た「水素サプリは運動と組み合わせたときに持久パフォーマンスの差が現れやすい」という結果と合わせると、水素は運動という負荷がかかった状態で代謝の破綻リスクを抑え、適応を成立しやすくするコンディショニング因子である、という解釈に整合します。
使用原料について 本研究で使用した水素発生サプリメント原料は、当社が開発・提供するハイドロシェルです。原料仕様や供給条件、資料一式やサンプルのご希望がございましたら、お問い合わせください。 → お問い合わせはこちら
次回(解説③)
次回(解説③)では、解説①(4群比較・持久パフォーマンス)と解説②(2群・時間階層)の結果を統合し、水素サプリの作用機序を一枚の全体像として整理します。






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